仲間と囲む、こだわりの一杯とひと串(焼鳥しもい)

店名元祖炭火焼鳥 しもい
代表者下井 茂樹
住所〒819-0168 福岡県福岡市西区今宿駅前1丁目3−28
営業時間17:00~ 不定休
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TEL092-807-9083

“生産者の顔が見える”、食材にこだわりあり

ーまず「焼鳥しもい」は、どんなお店か教えてください。

「焼鳥しもい」は、昭和45年に父が創業しました。当時は、早良区原にあったんです。僕は2代目。今から30年くらい前、僕の結婚を機に2号店を今宿にオープンし、その後、原の店は両親が高齢になったことから閉店し、それ以来、今宿1本で営んでいます。こだわりは、お店でお出しするお料理やお酒は、すべて生産者の顔が見えるところから仕入れたり、自分で収穫してきたりしたものであること。鹿児島や宮崎、熊本などにも直接赴き、生産者さんに会ってお話を聞いてから仕入れています。

こだわりの食材とお酒たち。種類が豊富で、食欲をそそられます。

焼き鳥は、自分でさばいてカットし、心を込めて串打ちしたもの。タレは丸1日かけてゆっくり作り、合わせて楽しむのは、日本酒、焼酎どちらともおすすめです。とはいえ、お酒のお好みもあると思うので、迷ったらぜひ声をかけてください。お好みを聞いて、お料理に合うお酒をご提供します。おすすめは、焼き鳥だけではありません。僕は川魚が好きなので、自分で釣ってきた魚をお出しすることも。また好評の「馬刺し」も、熊本に行って直接仕入れているため、10種類以上の部位がそろっているんです。

丁寧に手作業でおこなわれる「串打ち」は、まさに職人技。

ー店内は「福岡ソフトバンクホークス」のグッズであふれていますね。

かつての西鉄ライオンズ(現在の埼玉西武ライオンズ)が、本拠地であった福岡から撤退したでしょう。なくしてから分かるものって、あるじゃないですか。少年の頃から野球が好きだったのに、応援するものがなくなったから、もう一度手に入れたいと思って、市民球団誘致活動をしていたんです。すると、縁があって、ホークスが福岡に来てくれました。とはいえ、ホークスが福岡に本拠地を移した当初は、まだライオンズファンの方も多くて。ホークスファンを増やすための布教活動と思って、頑張ったんです。今はもう、石を投げたら当たるのは、ほとんどホークスファン(笑)。自分は、もう趣味としてホークスを応援できたらなって思っています。

しもいさんは、ダイエー時代からの根っからのホークスファンです。

お客さんもホークスファンが多いですが、阪神や巨人ファンの方もいらっしゃるんです。日本シリーズの時には、ホークスファンに囲まれて、ひとテーブルだけ中日ファンだったことも。ホークスファンと一緒に盛り上がっているんですよ。ホークスが勝ったら、乾杯するんですけど、ちゃっかり一緒に乾杯したりして(笑)。そういうのもありかな。野球ファンもそうだけど、スポーツファンがみんなで集まって盛り上がれるお店だったらいいなって思います。

お店を支えてくれる、“チームしもい”

ーお客さまとは、どんな関係を築かれていますか?

僕は、話し出したら止まらないんですよ。だから、できるだけお客さんと話さないようにしているんです。捕まったら最後。逆にお客さんが困っていますね。「あんたしゃべり過ぎよ」って、よく妻に怒られています。

コロナ禍では、お客さんに生かされました。緊急事態宣言やまん延防止重点措置区域に指定されたときは、はじめ休んでいたんですよ。でも、二日休んだらお客さんから電話があったんです。「あんたんとこどげんするとね、持ち帰りできんとね」って。その声で、「あ、やれるかな」って不安が徐々に確信になって、テイクアウトを始めたら、どんどん注文が入って本当に助かりました。

スタッフも常連さんも生産者さんも含めてワンチーム、それがしもいさんの流儀。

自分一人では、どうしたって生きていけない。お客さんがあって、生産者があってやれるし、業者さんや酒屋さんたちの助言があるから、これだけ品数をそろえることだってできる。だから、僕は支えてくれる人たちを“チームしもい”って呼んでいるんです。お客さま、生産者、そして僕らを含めてスタッフ。この気持ちを忘れないようにって思いを込めて“チームしもい”。アルバイトの子のユニフォームには、左肩の部分に“チームしもい”って刺繍を入れているんです。同じく今宿にあるハタエスポーツさんに無理言って作ってもらいました。これからも、愛される店、好かれる店、また来たくなるなっていうような店になりたいし、あり続けたいなって思っています。

一朝一夕では築けない、地域の方との関係性はしもいさんの人柄があってこそ。

今宿は「出会いのまち」

ーしもいさんにとって、今宿とはどんな町でしょうか。

今宿って、出会いのまちだと思うんです。最近は、若い方や若い世帯の方が引っ越してくることも増えて、九州大学の学生さんもお客さんとして来てくれるようになって、新しいお客さんとの出会いがたくさんあって、嬉しいですね。今宿は、福岡市や糸島市の玄関口だから、役場町として、街道として栄えてきて、いろんな人が行き交う通り道でもある。人の流れがあるから出会いにあふれています。

お店の一角には、お客さんとの思い出が刻まれた写真スペースも。

それに今宿に来て、縁があって人に生かされているというか、今宿の人に生かされているなという気持ちがあるんです。いろんな声かけをして長くやっていく中で、「あんたんところの焼き鳥食べに来たよ」とか「持ち帰りはできるの」とか、声をかけていただいて。本当に感謝しています。近所の神社とか、山とかも、守っていこうと思って、そういうグループに参加したり、海の清掃にも参加したり。「海あり、山あり、焼鳥しもいあり」で頑張っていきたいです。

今宵も、新たな出会いに乾杯。